2018年6月12日火曜日

第4回 生まれる前から音楽を聴いている

第4回 生まれる前から音楽を聴いている


ヒトは生まれる前から音楽(を含む外界の音)を聞いていると言われます。胎児にはモーツァルトを聴かせると良いと言われ、実際に多くの胎教CDが売られています(例:胎教のモーツァルト)。

南カリフォルニア大のシーラ・ウッドワード博士(後にEastern Washington University)は、妊娠中の子宮にマイク付き超小型水中カメラを挿入して映像と音声を録ることに成功しました。外でウッドワード博士が子守歌を歌った際に、胎児がおなかのなかで微笑むのがはっきりわかる映像は決定的瞬間をとらえたものと言っても良いでしょう。胎児は、我々が考えていた以上に音楽に敏感で、音楽に癒されたり、リズムを刻んだり、あるいは大声に驚いたりしているようです。いままで想像でしかなかった子宮内での胎児の音楽聴取、その実態がこうした科学的研究でこれからも明かされていくことでしょう。

参考動画:YouTube "Music Instinct" 41:10~


また、同じ動画の少し後の部分では、胎児や新生児は、協和音(3度、5度などよく調和し響きあう音のこと)を好み、不協和音をいやがるということも実験で確かめられています。それは教育で獲得されるというよりは、人間がもともと持っている特性によるものと思われます。そもそもオクターブ(振動数比は1対2)、完全五度(振動数比は2対3)、完全四度(振動数比は3対4)など整数の振動比を持つ音の組み合わせを人は調和がとれており美しいと感じるようです。


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