Richieの音楽産業論
はじめに
音楽は誰にとっても身近な存在でありながら「技術と経営」の側面から語られることはほとんどありません。このブログでは、音楽産業をハードからソフト、コンテンツからサービスまで幅広く俯瞰し、音、音響の基本概念から、人間と音楽の歴史、テクノロジーと音楽産業の関わりについて、歴史に学び、現状を分析し、また将来への示唆を考えていくものです。何回で完了するかわかりませんが、時間がある時に適宜更新していきます。
第1章 「音楽の起源」
第1回:音楽とは何か?
まず第1回。音楽とは何か?というあまりにも漠然とした「問い」を少しブレイクダウンしてみます。
まず、言葉の定義です。
大辞林では音楽とは「音による芸術。時間の進行の中で、一定の法則に基づいた音を組み合わせて、人の聴覚に訴える美を表現する」、デジタル大辞泉では「音による芸術。音の長短・高低・強弱・音色などを組み合わせて肉声や楽器で演奏する」、広辞苑では「音による芸術」とされています。
まあ、日本語としての音楽という言葉の定義はどの辞書でもぶれてないと見てよいでしょう。
一方、英語で音楽を意味するMusicの語源を見るとギリシャに起源があります。ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典では「ムシカ,ミュージックなどの言葉はギリシア神話の9人の女神 (ムーサ) たちが行う活動 (言語,詩,音楽,舞踊などを統御する) を意味するギリシア語のムシケ mousikēに由来する。」としておりMusicの起源がギリシャ語・ギリシャ神話にあることがわかります。
音楽の神アポロンの息子で竪琴の名手だったオルフェウスは、蛇にかまれて命を落とした新妻エウリディーチェを救いに冥界に出かけます。オルフェウスの悲しい竪琴の音に涙を流す王妃ペルセポネに説得され、王ハーデスは「地上に出るまで決して後ろを振り返ってはいけない」という条件を付けてエウリディーチェを返します。しかし地上へ向かう途中、不安になったオルフェウスは禁を破り後ろを振り向いてしまい、エウリディーチェは冥界に連れ戻されてしまいます。
冥府のオルペウス |
音楽は、ギリシャ神話の時代から人間にも神々にも強い力を持っていたということですね。
参考URL: Wikipedia オルペウス
『「音楽の力」を誰よりも信じるべき音楽家にとってはオルフェウス神話が永遠のテーマであることは言うまでもありません。とりわけオペラの歴史において、オルフェウスは欠かせない存在でした。楽譜が現存する最古のオペラ<エウリディーチェ>(1600年初演)や、オペラ史上初の傑作と言えるモンテヴェルディの<オルフェオ>(1607年初演)から18世紀グルッグの<オルフェオとエウリディーチェ>(1762年初演)そして20世紀までオルフェウス神話をベースにしたオペラはおびただしい数にのぼります。』
『「音楽の力」を誰よりも信じるべき音楽家にとってはオルフェウス神話が永遠のテーマであることは言うまでもありません。とりわけオペラの歴史において、オルフェウスは欠かせない存在でした。楽譜が現存する最古のオペラ<エウリディーチェ>(1600年初演)や、オペラ史上初の傑作と言えるモンテヴェルディの<オルフェオ>(1607年初演)から18世紀グルッグの<オルフェオとエウリディーチェ>(1762年初演)そして20世紀までオルフェウス神話をベースにしたオペラはおびただしい数にのぼります。』
「音楽で楽しむ名画」加藤浩子 より
次回からは音楽の起源について見ていきます。
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